アオリイカは、日本の沿岸ではごく普通に見られるイカで、大きくなると外套の長さは40センチ以上になります。ちなみに、イカの大きさは、腕の部分を含まない胴体の長さで表します。地方によっては、その姿かたちからミズイカ、バショウイカと呼ばれています。普段は沖合に生息していますが、5月ごろになると、アオリイカは産卵のために岸近くの浅いところへ集まってきます。そして、海底に生えている海藻や沈んでいる木の枝などに卵が5、6個入った鞘状の卵嚢を産みつけます。産卵後1カ月ほど経つと体長1センチたらずで、一人前の姿をした稚イカが生まれ出てきます。夏も終わりを迎えるころになると5センチほどに成長したアオリイカの子どもたちが、波の静かな入り江や港の中で群れになって泳ぐようになります。

生きているものは無色透明。死ぬと茶褐色に変わり、次に色が薄れて黒く出ていた目も白濁して引っ込みます。

アオリイカはやわらかくて身も厚いので、刺身にすると甘味とうまみを存分に味わうことができます。大人数の割りにイカの量が少ないときは、練りウニを酒でのばしてイカの身に塗って、さっと火であぶれば、小付けにぴったりです。また、足や耳は皮をむいてたたきにして薬味を添えるか、納豆や大根おろしなどとあえてもなかなかの味になります。

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